ケータイ小説 野いちご

彼の隣で乾杯を

多忙は望むところです
イタリアの休日

そんな私の言葉も無視する今日の高橋。
明らかにおかしい。
絶対におかしい。

しかも、なんでここに居る。

あれか?もしかしたらタヌキ?

「どーした?ね、機嫌悪い?長旅で疲れた?お腹減った?」

「お前・・・」

きゃっ
いきなりピタッと立ち止まるから高橋の背中に鼻がぶつかりそうになる。

「あっぶなっ」

「お腹減った?って由衣子じゃあるまいし」

呆れたような声が頭の上から降ってくる。ホントに高橋はムダに背が高いんだから。

162センチと女子にしてはそんなに小さくない私でも185センチの高橋は隣に並ぶと親子みたいな身長差。
それでも今日はヒールの助けを借りているから多少はマシなんだけど。

「私はお腹が減ってるよ?」
高橋の不機嫌な理由はわからないけれど、私は急に林さんへの怒りを外されたせいなのか空腹感が倍増されてしまいお腹がうるさく鳴り出してしまそう。要するにかなり飢えている。

林さんを周りに紹介してからゆっくり料理に手を出そうと思っていたから、それまで摂っていたのはほぼ水分のみだったのだ。

おまけに早希の失踪に林さんが関わってると聞いたら真相を聞きださないと気が済まないのに無理やり連れ出されて、混乱と少しの怒りで空腹が増している。

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