「柚!
挿管するよ用意して」


「はいっ」


「柚薬入れるよ」

意識はないながらも
声をかけてから行う






処置を行って
柚の意識は落ちたままだけど
発作の方は落ち着いた




看護師さんに様子見をお願いしてから
医局に戻ると矢野先生からの
呼び出しがかかった



ガラッ
「失礼します」


「長谷川先生お疲れ様
柚ちゃんは落ち着いたかい」


「お疲れ様です。先ほど落ち着きました
発作時に意識がなくなったので
挿管をして今は意識が戻るのを待ちます」


「そうか…
最近の検診では数値は良かったと
聞いていたんだが
今日はどうしたんだ?」


「今日は休日で出掛けてたのですが
食事を終えて休んでから
行動をし始めた時に発作が起こりました」


「龍くん着いていたって事は
充分休んでからだったんだよね?」



「はい。30分以上は休みました
その後も急激に動いたわけでもありません」



「そうか…
先の移植のことも考えると
前触れもなく発作が続くと
チャンスが来た時に失う可能性がある…
先日柚ちゃんの方から
大学に関して続けられるかと言う
話を受けたと言ったね」


「はい。本人から
どう言う状態なのかこれからは
きちんと教えて欲しいと言われました」


「うーん…」


「矢野先生の意見としては
大学に通い続ける事は
この先厳しいとお考えですか?」


「そうだな。言いづらいが
いつ薬では治らないほどの
大きな発作が起きてもおかしくない」