文化祭当日。


「お、おかえりなさいませ、ご、ご主人様っ」

柄にもなくそんな言葉を口に出す。
は、恥ずかしい…っ

「「「か、かわいーーっ♡」」」


いろんな学校も来る私たちの文化祭。
余計に恥ずかしいから!!


「そこのメイドさーん」

私の方を見て手招きするチャラめの人たち。

なんか嫌だな…

「どうされましたか?」
「君のことお持ち帰りしたいんだけど〜」

そう言って軽くスカートをめくって来る。

「ちょ…やめてください」
「メイドなんでしょー?言うこと聞いてよ」

私の手を引いて引き寄せる相手。

やだ…触らないで。


峻くん________っ。





「俺の彼女に気安く触んな」


声が聞こえた時には彼の胸の中にいた。


「峻くん!」

「あ?んだてめー」

「日本語わかんねぇのか?
俺の彼女に触るなって言ってんだよ」

いつもより低めの声の峻くん。
なんだか私までゾッとする。

チャラめの人も怖くなったのか、

「つまんねー」
って言いながらもそそくさと去っていった。


「ごめんね、峻くん。」
「何された?」

「何も…あ。」

「なんだよ?」

スカートめくられたってわざわざ言わなくていいよね?

「何もされて「スカート捲られてたわよ」

私の言葉を遮って朱莉がそう言った。

「ちょ、朱莉!」

「はぁ…だから嫌なんだよ」

「うんうん、分かるぞ峻」

「お前は近くにいるからいいだろ」

たしかに!と笑いながら春くんが答えた。

でも本当に峻くんが来てくれて良かった。