ケータイ小説 野いちご

二人でいる未来をずっと信じるよ

Prologue



私の名前は姫宮香菜

3才の時、記憶には殆ど無いに近いですが交通事故で両親を亡くし私一人だけが生き残りました。


小さな私を引き取ってくれる親戚はいず必然的に児童養護施設で暮らすことになりました。


物心がハッキリとついてるわけではありませんでしたが、わかっていたのでしょうね。『お父さんとお母さんがいない』現実が受け入れられず、ずっと泣いていたらしいです。


児童養護施設は3才の私にとっては知らない場所

ですが、物心がハッキリついた頃には知らない場所ではなく暮らす場所に変わっていました。


私を引き取ってくださった児童養護施設は教会と系列しており、必ず祈りの時間がありました

でも私は神様という存在に対して否定的でした。

いるとは思えなったのです。

だから、祈りの時間は苦痛でした。


『嫌だ』と言い、親代わりの職員さんを困らせていたこともあります。

それでも愛情はくれました。


もし、この世に転機というのがあるのでしたら、私にとっては10才の頃。

職員さんから『香菜ちゃんを家族として迎え入れたい人がいるの』聞かされました。


私の両親を知っている人と言われましたが、その時の私は『私を家族として迎え入れたい人』の事を信じることなど出来ませんでした。

漫画やドラマじゃあるまいし、本当に私の両親を知っているのかと疑い私は面会も拒みました。

ボランティア的な考えの持ち主ではないかと警戒心を強めていました。


ずっと、ずっと、拒みました。

いつか諦めると思っていました。

ですが、諦める事なく何度も施設を訪れていたのです。


職員さんの説得も受け、面会ぐらいは良いかな?と思い始めたのは11才になったぐらいでした。


名前は椹木祥太郎と妻の春歌さんと紹介され、椹木家は地元では有名な実業家だそうですが11才の私にはそれがどれだけ凄いことなのかわかりませんでした。


用意された部屋で私と面会を果たした時、椹木夫妻は私を見て涙を流した。

『ずっと、捜していた』

『あの二人に似ている』

そう呟きながら。



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