川沿いの道からは中央小学校の丸いドームは見えません。
いったいどれくらい歩けばいいのか見当もつかない中、
歩いていると何やら騒がしい声が聞こえてきました。
「この卵はどう見ても私たちには大きすぎます」
「大きい。大きい」
「仲のいいあなたたち夫婦ならできますよ」
「よそ様の預かるほど余裕はないのよ」
「オレのとこ置いてると、壊しちまいそうでヤなんだよな」
「いっそのこと、みんなで食べて終わりにしませんか?」
見ると屋外に置かれたテーブルで一羽のカラスと二羽のハトと五羽のスズメが一つの卵を囲んで話しこんでいます。
ケンカが始まりそうなメンバーだな、とアリスは思いました。