…俺は何をえらそうなことを言っているんだ?

湯舟の中に躰を入れると、俺は思った。

会社の近くで七夕祭りがあると言うことは知っていたが、入社してから行ったことは1回もない。

もう祭りだと言って、はっちゃける年齢でもないからな。

玉村の動向が見たいのは、半分は本当…だけど、斎藤ゆめのと一緒に祭りに行きたいと言うのが真実だ。

なのに、ヤツを理由にして彼女を誘った自分に我ながら呆れた。

…結果的には彼女はイエスと言ってくれたからいいのだが。

「いいんだ、結果的には一緒に行くことになったからそれでいいんだ」

ただし、玉村をダシにして…だが、ヤツにはいろいろな目にあっているんだ、これくらいのことをしたってバチは当たるまい。