「茅野が図書当番やってる~!」


「うける、似合うんですけど。」


「なあなあ茅野委員、お勧めの本は~?」


「お前らうるせえよ……。」


次の週の火曜日の放課後。
いつものように図書当番の仕事のため。
私は図書室に来ていた。


貸し出し口の所に座って。
読みかけの本をカバンから取り出す。
朝読書の時、良い所で終わっちゃったから気になってたんだよね。


本を読み始める瞬間は。
いつもどきどきする。
恋をするように、ときめく。
私はこの瞬間が本を読む中で一番好きだ。


「あ、藤村先来てたんだ。」


「か、茅野くん。」


本を読みはじめようとした時。
茅野くんが図書室にやってきた。


今日は制服だ。
ちゃんと、覚えててくれたんだ。


茅野くんは私の右隣の椅子に座った後。
同じように本を読み始めた。