「あのさ、中山さん。」
「………え、あっ、はい?」


現在6時間目の授業中。


突然橋本くんに声をかけられて驚きながらも彼の方を見る。


うっわぁ、すっごいかっこいい。


そんな彼が私だけをじっと見つめていた。


やばい倒れそう。
なんでこんなにもかっこいいの?


「………中山さん?大丈夫?」
「あっ、ごめん大丈夫だよ。どうしたの?」


危ない危ない。
見惚れていたのがバレるところだった。


「放課後、ちょっと時間欲しいんだけどいいかな?」


「………?………ごめん橋本くん、私の耳おかしくなっちゃったみたいだからもう一回言ってもらってもいい?」


「え?……だから、放課後ちょっとだけでいいから時間くれないかな?」


………ホウカゴチョットダケデイイカラジカンクレナイ?


え、何これ夢ですか?


頬をつまむけれど痛いから夢ではないようだ。


そんな私を見てふわっと微笑んだ橋本くん。
その笑顔に私は殺されかけた。


「中山さん、何してるの?
頬赤くなっちゃうよ?」


うわぁ、この人は天使か。ていうか本当に王子様だ。


「えっと、放課後だよね?
暇だから大丈夫だよ!」


「良かった。ありがとう。
みんなが帰るまで教室残っといてほしいんだ。」


え?なになに?


逆に怖くなってきた。
私橋本くんに何かしたっけ?


………いや、何もした覚えはなかった。