私の名前は小鳥遊 凛 (たかなし りん)。
この春から高校1年生になった。
まだシワのないパリパリのカッターシャツに袖を通しブレザーを着る。
膝より少し上のチェック柄のプリーツスカート。スカートと同じ柄のリボン。
鏡を見てもう一度自分の姿をクルりと周りながらチェックする。


(よし、いい感じ)


中学の頃はセーラー服だったのでとても新鮮だ。

「凛〜、朝ご飯できてるわよ〜!」

母の声だ。

「はーい!」

パタパタと階段を降り席に着く。
香ばしい焼きたてのパンの香りとふわふわ湯気があがるスープ。どれも私の大好物。
たっぷりの苺ジャムをつけていただきます。

「ん〜、おいしっ」

「そんなにゆっくり食べててもいいの?電車に遅れるんじゃない?」

「そうだった!中学とは違うんだった!お母さんありがとう!」

急いで朝食を済ませ歯を磨き駅まで急いだ。

「いってきまーす!」


電車の時間まではまだ時間に余裕があるためゆっくり歩いていた。
駅までは歩いて15分。走って10分程度かかる。母親のひと声がなければ、あのままゆっくり朝食を食べ、その後全速力で駅まで走る結果になっていただろう。


(はあ、いい天気。春って気持ちい。 )