「お前、その格好は何だ」



“休日だしまぁいっか”と少し朝寝坊して起きてきたら、リビングでテレビを観ていた会長に気付かれ苦い顔をされた。



「は?何が?」


「何がじゃない。その格好は何なんだと聞いてるんだ」



何って……。


自分の服装に目を落として首を傾げる。


キャミソール一枚に短パンってスタイルだけど何か問題でも?


確かに部屋着だけど、別に家の中だから問題ないよね?



6月に入ってからと言うもの、暑い日が続いていた。


梅雨の訪れを感じるジメジメとした暑さだ。


会長はお金持ちのお坊ちゃんのくせに案外節約家で、クーラーなんてまだ早いとか言ってつけてくれない。


だからというのもあって、家ではこうして涼しい格好でいるんだけど……。


それなのに、さっきから何だその顔は。


額に手を当てて、「はぁ〜」とか盛大に溜息をついてるし。



「何でもいいから上に羽織れ。足もそんな出すな」


「は?やだよ。だって暑いじゃん」


「いいから、黙って着替えろ」


「だから、やだって…」


「この家のルールは俺だ」



……むっかぁ。


相変わらず横暴なヤツ!


確かに居候させてもらってる身だけどさ!


服装までどうこう言われたくないんですけど!