「爽太。」



「なに?」



「いや、あの……」



「どうかした?」



「……近い。」



「そんなことないよ。」



そんなことあるから言っているんだよ!
気持ちを伝えてから数日、私は毎日のように爽太の元へ訪れた。


看護師のおばちゃんに許可を貰って。
面会時間をのばしてもらって。
学校が終わってから10時まで。
休みの日は朝から夜まで。
時間の限りを爽太と過ごした。


一緒にテレビを見たり、本を読んだり。
お互いの事を話したり。
私の学校での出来事を話したり。
勉強を教えたり。


たくさんの話をした。たくさん、一緒に過ごした。


その間ずっと、私は爽太のベッドの中に入っていた。
足の間に私が入る形で。
背中に爽太に温かみを感じながら。その熱に安堵しながら。
私は毎日を過ごした。


検査で訪れる看護師さんに冷やかされるし。
爽太のいちゃつき具合は日ごとに増すし。