凛はお嬢様で、俺は彼女専属の執事だ。

同じ年、同じ学校、同じクラス。
いかなるときも隣にいて、彼女を守れるように、との配慮。

俺が同じクラスになったのも、凛の父親であり俺の雇い主である成金男が、学校に膨大な寄付をしたから。

だけど、周囲にお嬢様だと持て囃されたくない凛は、専属の執事がいることを隠したいから、学校では普通にしててね? 普通の同級生として接してね? と、提案してきた。

凛は過去にトラウマがあって、中学時代は塞ぎ込んでいたらしい。

凛の父親は、世界的ファッションデザイナー。
傲慢で頑固で正直、嫌な奴。

凛が中学に上がるときにお祝いとして特別に作った1枚のレモンイエローのドレスが、家族を変えた。