住吉の 浅沢小野の かきつはた 衣に摺り付け 着む日知らずも


『恋人を待てば幸せはやってくる』という意味。
ばあば様が教えてくれた、万葉集にある歌だ。


「待ってばかりの人生だったから、この歌を支えにしていたわ」いつかばあば様そう言っていた。

ばあば様の旦那様は、海を調査する仕事をしていて・・・船で海へ出る度に、どうか無事であるように祈りながら待っていたそうだ。

ところがある日を境に、帰ってこなくなった。

それでも、ばあば様は待ち続けたらしい。
この歌を支えにしながら。