ケータイ小説 野いちご

僕と城矢君の平行線は。

僕の日常はいつも保健室だった。
僕にとっての友達は。

「おはよう星南さん。」

「おはよ。」

このやり取りはもう日課になりつつある。



前までは___


「おはよう。」

城矢君がニコッと挨拶をしてくる。

「お…。」

やっぱり駄目だ。

お、からの続きが言えない。

うつむく僕を心配してか城矢君は

「星南さん…?」

ごめんなさい。

僕は走って逃げる。

「え、待って!」



またある時は___


見つからないようにしないと。

久々に人前で泣いたから、どんな顔で会えばいいのかわからない。

バッグを前に抱え、後ろからそーっと歩く。


どんっ


誰かと僕の背中がぶつかった。


「ぁ…ごめんなさい。」


振り返ってみたら、そこにいたのは城矢君。

「あれ?星南さん、おはよう。」


あれ、いつもと違うオーラが。

笑っているけど、奥に黒いオーラが見える。


「お、おは…。」

ど、どうしよう。

声が出ない。


「ちょっと来て。」


ぐいっと手を引っ張られる。

幸い、誰にも見られてなかったからいいけど、人気の少ないところに連れていかれた。


「星南さん、言いたいことがあるなら言って。」


あぁ、そうか。

心配されてたのか。


「その……ぃ。」

「…ん?」

「だから!…恥ずかしいんです。人前で泣いたの久しぶりだったので。」

あー、くそ。

顔が熱い。

体の全ての熱がいっきに顔に集中してるみたい。

なんでだ。

僕は下を向く。

見られたくない。

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