"プロローグ"




彼に出会ってからの1年はとても素敵なものだったわ。




私は彼に出会った頃彼のことが大嫌いだった。




そして、彼に出会ってからの1日1日を一生忘れないでしょう。





〈第1章〉



4月 入学式




私、柊 薔薇は私立桜雪学園に入学した。



私はこの学園でやり残したことをやらなければならない。



ココへはそのために来たのだから。
この学園は亡き母の母校だ。


母が昔話していたことを思い出しながら歩いていた。





「私立桜雪学園にはね、その年1番綺麗だと認められた男女は男が「サファイヤ」女が「ルビー」と呼ばれるフラワーストーン制度があるのよ。お母さんとお父さんはね、ルビーとサファイアだったの。」





何てよく聞かされたものだわ。



母が亡くなってもう8年たったのね。
考えながら学園の真ん中にそびえ立つ大きな桜の木を見ていた。




「私も今年母のように ルビーに選ばれないといけないの。」




「どうしても今年ルビーにならなくてはいけない。」





と、桜の木の下で決意を口にした。






私には時間が…ないのだかたら…。