「一人でどうしたの? 迷子?」


ネモはクジラを抱きかかえて話しかけてみましたが、返事はありません。
だって、置き物ですものね。


けれど、ネモはそっとくじらを隣に置いて、一緒にお花見をはじめました。


「こんなに綺麗な花を僕だけ独り占めするなんて、もったいないものね」


うっとり花を眺めていると、ぐううっと音がしました。


どうやら、ネモはお腹がすいたようです。


「さあ、おにぎりを食べよう!」