愛桜said

「なっ?ちょっとずつでいいから、走ろうよ!」

そう言って誘ってくるのは悠貴

でも、私の答えは決まってる

『嫌だ!』

もう、あの頃の感覚を思い出したくない。

このまま、ずっと陸上なんかに関わりたくなかった

「なぁ、愛桜。アイツらだってずっと…」

『もう言わないで!そう言ってるじゃない!』

自己を守ってるだけだってことくらい私には痛いぐらい分かってる

でも、仕方ないでしょ?

「愛桜...」

悲しそうな、辛そうな顔をしている悠貴に気が付かないふりをして私は家の中に入っていった