ケータイ小説 野いちご

過去と向き合うという事

プロローグ

‐街はクリスマスソングが流れ、大きなクリスマスツリーが、色とりどりに光っている。

あたしはそれをぼんやりと眺めた…。
いや、眺めるしか出来なかった。
だって他に、なんて言ったらいいの?

あたしの右手からは、彼の体温が伝わってきて、ようやくあたしは1人ではないと思える事が出来た。

「…だめ?」

あたしからの返事がないので、まるで捨てられた子犬のような顔で、あたしを見る。

「しょ…将(しょう)の事は好きだよ。
だけど、あたしは幸せになっちゃいけないの!」

将とは付き合って1年も満たないが、それでも互いに本気だ。
出来る事なら、これからも一緒にいて、彼と家庭を築きたい。

…でも、それが出来ない。
あたしなんかが幸せになっちゃいけない。
それは…、何年経っても変わらない事だから…。

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