夜20時を回った。事務室にひとり残って残業していたら、窓の外はいつの間にか真っ暗だ。
空調や電気を切り、窓の戸締まりなどの最後確認をして事務室の鍵を閉めた。
ついでに一階の栄養指導室も同じく見回りをする。
外来にも会計にも当然ながらもう人はおらず、薄暗い院内は昼間とのギャップが大きくて少し怖い。
「相沢さん」
職員出入口へ向かおうとしたら上から声が降ってきて、肩を揺らしながら見上げた。
吹き抜けの向こうに見える二階の手すりから身を乗り出して私を見ていたのは、上村先生だった。
「お疲れ様。今帰り?」
「はい。先生もお疲れ様です」
「ちょっと話をしない? 上に来なよ。今、休憩室誰もいないから」
「え?」
困惑している私をよそに、先生は奥に消えて行き、断る隙も与えてくれない。
空調や電気を切り、窓の戸締まりなどの最後確認をして事務室の鍵を閉めた。
ついでに一階の栄養指導室も同じく見回りをする。
外来にも会計にも当然ながらもう人はおらず、薄暗い院内は昼間とのギャップが大きくて少し怖い。
「相沢さん」
職員出入口へ向かおうとしたら上から声が降ってきて、肩を揺らしながら見上げた。
吹き抜けの向こうに見える二階の手すりから身を乗り出して私を見ていたのは、上村先生だった。
「お疲れ様。今帰り?」
「はい。先生もお疲れ様です」
「ちょっと話をしない? 上に来なよ。今、休憩室誰もいないから」
「え?」
困惑している私をよそに、先生は奥に消えて行き、断る隙も与えてくれない。