放課後になり涼は準備があるから私の家で待っているようにと言って先に帰ってしまった。
「おかえりなさい咲羅様っ!」
玄関に入るなり抱きついてくるゆき。
ぼたんはモジモジしながらこちらの様子を伺っている。
「ぼたん、おいで?」
ぼたんもゆきのように抱きつきたかったみたい。
2人とも甘えん坊なんだから。
2人をもふもふしていると、
「あ、あの、さくらちゃん?その人たちは…」
かりん連れてきてたのわすれてた。
「ご、ごめん!紹介するね。こっちの男の子がゆきで、女の子がぼたんだよ。」
「かりん様ですね。いつも咲羅様からお話を聞いていました。本当にお綺麗な人だ。」
そう言うと、かりんの手の甲にキスをした。
甘えん坊なのかキザなのかよく分からないな。
かりんとはと言うと、顔を赤く染めてオーバーヒート状態。
「かりん?大丈夫?」
「は、は、は、はいっ!だ、大丈夫ですっ!」
「申し訳ないです。」
女の子にこんな反応をされた事がないのか珍しく落ち込んでいる。
「咲羅様、かりん様お召し物致しますのでこちらへどうぞ。」
落ち込んでいるゆきを置いて、ぼたんと神殿へ入る。
「さくらちゃん、ここ入っても大丈夫、なの?」
「大丈夫だよ。」
普段は絶対入ることのない神殿だから、かりんは不安に思ってるみたい。
ここが琥珀くんの仕事場とも言えないしなあ。
と考えていると、ぼたんが置くから袴らしきものを取り出してきた。
「咲羅様、かりん様。こちらにお召かえを。」
差し出してきたのは、私が夏休みに家のお手伝いをしていた時に着ていた巫女装束。
「どうしてこれを?」
「黒様からこれを着ておくようにと。」
理由はよく分からないけど、仕方なく着替えることにした。