遥斗side
昨日、うちの猫が居なくなった。
ハッキリ言えば人だけど、猫見たいな子。
「稚己…。」
昨日俺が寝ている間に、真奈が偽装のセックスを計画。
まんまと稚己は騙されて、家を出ていった。
真奈を怒鳴り家から追い出した後、俺は急いで稚己を探しに家を出た。
もしかしてと思いあの時出会った公園に足を運んだが、稚己は居なかった。
「どこいったんだよ…。」
「知らないよ。遥斗に愛想尽かしたんじゃない?」
俺は啓悟を睨みつけるが、ヘラヘラとしてる。
「32番さん。1番へどうぞ。」
そんな会話をしてると、啓悟の番号が呼ばれた。
俺は今啓悟の病院に来ている。
一日経っても痛みが引かねぇ!と怒鳴りつけて来るから、病院へ連れてってやった。
「あれまっ!折れてるねぇ…コレは…。」
なんともインパクトとのある親父が面白すぎて、吹き出した。
「何笑ってんの、遥斗?お前のせいだよ?分かってんの?後できっちりお返ししてもらうからね。」
「す、すんません…。」
一気に凍りついた病室内には、虚しく俺の声だけ響いた。