もう、いやだ。やめたい。逃げたい。なんで、私なの?なんで?どうして?

先生は、私に『生徒会出馬用紙に名前を書け。』それだけ言って立ち去って行った。
(なんで、私なの?!こんな目立つこと出来ないよ。恥ずかしいよ。無理ですよ。)
思った言葉は口からは出ず、何も出来ないまま教室に残されてしまった。

ガラッ。
「茉優?!どうしたの?大丈夫!?泣いてるよ?」
私の頬を涙がつたっていた。どうして泣いてるんだろう。自分でも分からなかった。
「あ、瑠樺ー。入るなら声かけてー!大丈夫!ちょっと、成績の事で怒られただけー!」
わざとらしく明るく言ってみた。瑠樺は怪訝そうな顔をしたけど、スグに笑顔になった。
「もう、5時だよー!早く帰ろ!」
「そうだねー!今準備するわー。」

瑠樺には。瑠樺だけは失いたくない。笑顔でいなきゃ。