◆◆◆
【時雨side】
俺には守りたい者があった。
「物」じゃなくて「者」
でもそれは、危険と隣り合わせのものだった。常日頃、感じる危機感
それは家庭内での話し
誰もが、俺の体に出来る痣を見てみぬフリで。唯一庇ってくれていたのが……
実の姉-赤崎 百合花だけ
母親は父親に恐れ、一人実家に帰り、気付けば離婚してらしい。
実際、「知らないまま離婚」なんて不可能だが離婚届けで記入する、父親の欄を母が記入し、字を父親の字に真似て書き、そのまま提出したらしい。
元々、殴り書きの字を書く父親の癖は綺麗な字より真似やすい。
読めないぐらいがちょうどよく、
きっと書いた本人すら読めないのが、父親の「字を書く癖」だ
だから、綺麗な習字の教科書を手本にした母親の字と。殴り書きされた字が同一人物だとは疑われなかったのだ
離婚をするな。とは言わない
だが、せめて…………どうして、
姉を連れて行ってくれなかった?
俺はいい。生きてても価値がないと父親に言われ、納得してしまうほどに俺は…
無価値な人間だ。
でも、せめて姉だけは守りたかった
俺には…………唯一大切な「家族」だと言える人だったから
「もしも」の世界があるのなら、俺は……
俺が次は大切な者を守るために…………
この手を汚すと決めた――――――――――――――……
【時雨side】
俺には守りたい者があった。
「物」じゃなくて「者」
でもそれは、危険と隣り合わせのものだった。常日頃、感じる危機感
それは家庭内での話し
誰もが、俺の体に出来る痣を見てみぬフリで。唯一庇ってくれていたのが……
実の姉-赤崎 百合花だけ
母親は父親に恐れ、一人実家に帰り、気付けば離婚してらしい。
実際、「知らないまま離婚」なんて不可能だが離婚届けで記入する、父親の欄を母が記入し、字を父親の字に真似て書き、そのまま提出したらしい。
元々、殴り書きの字を書く父親の癖は綺麗な字より真似やすい。
読めないぐらいがちょうどよく、
きっと書いた本人すら読めないのが、父親の「字を書く癖」だ
だから、綺麗な習字の教科書を手本にした母親の字と。殴り書きされた字が同一人物だとは疑われなかったのだ
離婚をするな。とは言わない
だが、せめて…………どうして、
姉を連れて行ってくれなかった?
俺はいい。生きてても価値がないと父親に言われ、納得してしまうほどに俺は…
無価値な人間だ。
でも、せめて姉だけは守りたかった
俺には…………唯一大切な「家族」だと言える人だったから
「もしも」の世界があるのなら、俺は……
俺が次は大切な者を守るために…………
この手を汚すと決めた――――――――――――――……