━━翌朝……。


夜に散々泣いたせいで、まぶたが腫れて、顔もむくんでしまっている。

鏡の前に映る自分は、なんて冴えない顔をしているんだろう……。


スッとブラウスに腕を通し、いつもより早く、身支度を済ませた。



「あら、おはよう美依。今日は早いのね」


リビングにはもうお母さんがいて、ちょうど朝ごはんの準備をしていた。


テーブルには、3人家族なのに2人分の朝ごはん。


そっか、わたしいつも知紘の家で朝ごはん食べてたんだ……。


ほとんどそう……いつもわたしが知紘のご飯を作るついでに一緒に食べるのがもはや当たり前のことになっていた。


「今日は知紘くんの家に行かなくていいの?」



お母さんは昨日泣いているわたしに何があったのか深く聞いてこなかった。

だけど、たぶんわかっている……。


わたしと知紘の間で何かあったことくらい。