遠い 遠い 過去





〝妻になりたい〟私を置いて





逝った人















今も、刀を持ち

守る為だと、言う








あの頃と違うのは








私を〝妻〟にしたいと言うこと










妻にしてくれなかったのは

そっちじゃないか







恋も、妻になることも

諦めた今になって

私の胸を痛ませるなんて






土方は、酷い



酷いと思うのに






また、恋をしようとしている









私は、馬鹿なのだろう








とりあえず


近藤の言うように


大きな猫だと思おう


無理やりだが、土方は大きな猫なのだ





蒼と同じ



犬になり、メス犬になり、メス猫になった



蒼と同じ




「紅音」




土方が頬を撫でるのと

蒼が頬をなめるのは、同じ





「なんだ」




「生まれ代わっても、一緒にいような!」










大きな猫…


私が懐いている時は、プイッとしてた過去
私がプイッとしてるから、懐いてくる現在



大きな猫…




「大きすぎる……」



「ん?俺の気持ちが、大きすぎるか?」



「……離せ」


「ダメだ!今日は、仕事がねぇんだ」


「疲れるんだ 離せ!」



大きな猫にじゃれつかれると
私は、疲れて眠るまで動けない



私は、力を使い過ぎない限り
寝なくても良い体なのに


ここ最近は、寝てばかり

そして、土方の腕で目覚める




なんの感覚もない


猫との日々





そっと、大きな猫に口づけをしてみる






この猫がどんな感触なのか
確かめたい衝動が





私の中で芽生え始めた