さっきまでのうるさい駅前とは一変。
いつもの静かな見慣れた道を歩いて、私の家に到着。
その間、わたしと水野くんは終始無言だった。
「水野くん、ここだよ。」
「…アパート?」
「うん。ちょっと古くて汚いけど。」
「…一人暮らしなの?」
「…うん。」
水野くんが驚くのも無理はない。
わたしの学校での生活態度からして、一人暮らしだなんて想像もつかないだろう。
どちらかというと、親がいないと何も出来ないようなお嬢様タイプだ。
わたしたちはアパートの階段をのぼって2階に行き、部屋のドアを開けた。
「どうぞあがってくださいまし。」
「…お邪魔します。」