葉山瑠璃はごく普通の日本人女子である。

まぁ、普通の大学生と違うところがあると言えば彼女が帰国子女だというところだけだ。

6歳の時ドバイへ父の転勤で行き、12歳でまたやはり父の転勤でカナダへ。
そんなこんなで彼女は物心がついた頃には葉山瑠璃は外人化していた。

外人化したとはいえ瑠璃の母、美鈴は瑠璃の教育に熱心なもので瑠璃は日本語、そして日本の勉強で困ることはなかった。

しかも美鈴は瑠璃に求めたレベルは高く、ヴァイオリン、ピアノ、フィギュアスケート、乗馬、茶道など習わせた。瑠璃はいわゆる英才教育を受けてきたのだった。

やがて彼女は語学堪能、頭脳明晰、文武両道な娘となった。



葉山瑠璃はなかなかの美人であった。

母の気まぐれで受けたオーディションに受かり幼少の頃は芸能事務所に所属しており少々活動した。とは言っても赤ちゃん雑誌におもちゃで遊ぶ姿の写真が載るくらいだが。



さぁて、こんな葉山瑠璃には1つだけ欠点があった。



彼女は恋愛経験不足だった。


今の今までずっと恋をした事もない、ましてや付き合った事もない大学生1年生となった。今時かなり希少価値が高いであろう。