ーside愛ー



朝の8時



セットしていた目覚ましがなる。



急いで時間を確認して私はベッドから飛び起きた。




体に巻き付くこの男性の腕を振り払う。





「邪魔。」




私の振動で、その男は目を覚ました。




「どこ行くんだよ。」



そう言って、再び私に腕を回してきた。




「学校だけど。」




「あ?お前大学生だっけ?」



聞きたくもない、朝寝起きの甘ったるい声。





「高校生だけど?」




イライラして、その男に私はぶっきら棒にそう答えた。




「は!?」





焦ったように私に回していた腕を急いでほどいた。






朝から大声出されるとイライラする。






私は、制服に着替え髪の毛を整えた。





髪の毛、伸びたなぁ…。




鎖骨くらいまで伸びた髪を、鏡越しに見ていたら、再びその男に後ろから抱きつかれた。






「男がいる前で、着替えするってどういうことか、分かってしてる?」





「うるさいよ?

コーヒーでいい?」





抱きつかれた腕を振りほどき、私はキッチンに向かった。






「あのさ…。聞いてもいい?」





「何?」






「俺たち、付き合ってるわけでもなければ、昨日初めて会った者通しなんだから、君のこと教えてほしいんだけど。」






「私と寝る条件、昨日話したよね?


私のことは一夜で忘れてほしいって。


深入りもしないでほしいって。



それ約束で、私はあなたの寝たの。



1度会ったら、それ以上でも何でもないの。」






「……。


分かったよ。


愛に深入りはしない。



けど、何か困ったことがあったら相談に乗るから。



コーヒーだけ、もらっていくよ。」






「さようなら。」





「じゃあな。」





そう言って、私は男と別れた。