早速次の日の放課後、



「ちょっとびっくりした」


「なに?」


「……ホントに彼氏みたいだったから」



教室まで迎えに行った俺に光来は驚いたように目を丸くしてポツリと呟いた。



こんな些細なことで驚く光来が新鮮で思わず笑みが零れる。



「だって、ホントに彼氏だし?」



そう言って手を握った光来は照れたように真っ赤になってて可愛い。



今までいろんな女の子と付き合ってきたはずなのに、手を握っただけでこんなに幸せで温かな気持ちになれたのは光来が初めてだ。




これは恋人ごっこだから、本気になってはいけないし本気にしてもいけない。




頭ではそう思っていたはずだったのに……。