「さきぃぃ!花火大会行こう!!」

リカは本当に急だ。騒がしいし。

「いーよー笑笑」

「さき、なんか変わったね。よかった、」

リカは泣いていた。

「何泣いてんのよ笑笑。ほら!花火大会の浴衣買わなきゃじゃん!」

「うぅ、、そうだね!」

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今日は花火大会当日。

それにしても暑い。人がいっぱいいて気持ち悪い。

そう思っていると、リカとはぐれてしまった。

私はかき氷を食べながら行くあてもなくただ歩いていた。

しばらく歩いていると1発目の花火が打ち上がった。

私は花火がバッチシ見える場所を確保し1人で眺めていた。

そこはあまり人数が無いところで心が穏やかになった。

「隣いいですか?」

男の人が話仕掛けてきた。

「どうぞ。」

不意に隣の男の人を見ると、、

先輩に似ていた。顔だけじゃなくて、身長

も目の輝きも。

私はボーっとその人の横顔を見ていた

「??あの?なにか付いてますか?笑」

私は前に進む。

「いいえ笑。知り合いに似ていたもので笑」

精一杯の笑顔で言った。

「っ!?、、」

心なしか彼の顔がほのかに赤くなった気がした。


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夏休みも終わり今日から学校。

私はいつもの時間のいつもの電車のいつも

の車両に座った。

すると、隣に男の人が座った。

隣を見ると花火大会の時の人だった。

本当に似ている。

不思議すぎて私はクスクスと笑ってしまった。

「あ!花火大会の人だ!」

クスクス笑っているのに気づいた彼は私に

そう言った。

「あ、あの、お名前教えてください」

「石宮早稀です。」

「お名前は?」

「颯馬しゅん。」

「「あのっ!好きですっ」」

二人同時の告白だった。今度は伝えられた。今度は、離れない。

「俺と付き合ってください」

カナト。天国で見てくれてる?やっと前に進める。ありがとう。

「はいっ」
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早く伝えればよかった、早く抱きしめれば

よかった、後悔はいくらでもできる。

けどそうしていればよかった時間は取り戻

せない。

手遅れになる前に今いる大切な人を全力で

愛そう。

私はあの日、あの夏で学んだ。


────────────Fin──────