「ふぅ、王都は遠かったなぁ。まぁ馬車で来たからだいぶ楽だっ・・・うっぷ」


(うう、道ガッタガタで思いっきり酔ったけどね!)



近くの壁にもたれ掛かり、重たいバッグを下ろし水を取り出してゴグゴクと飲み干した。自分が住んでいた南の地より、王都はだいぶ気温が高く眩しい太陽がじりじりと照りつけてきて、水はすっかりぬるくなっていた。





「あー、やっぱり付き人は連れてくるべきだったかな。荷物は重いし、暑いし、お腹は空いたし」




「って言っても仕方ないかぁ、これは運命、決められた話っ!」







(私が仕える人は将来の王候補、すごくいい子って言われてるらしいし、大丈夫なはず。さっさと王宮に行こう・・・)