「おはよー璃愛!昨日神崎先輩と一緒に帰ったんだよね!?どうだった?」

「葵!あのね…実は……先輩とぎゅーしちゃったんだ♡」

「ヒュー!!璃愛初めてでしょ?男に抱きしめられたの!どうだった?」

「え、えっと…」



"初めて"…

その言葉を聞き、脳裏にあの1年生が浮かぶ。

…だめだめ!!!

あたしの"初めて"は先輩なんだから!!



「"初めて"は俺ですよね?璃愛先輩♪」



!?!?!?



「あなた昨日の…!」

「あれ?いつぞやのイケメン1年生じゃん」

「葵知ってるの?」

「知ってるっていうか〜、1年にイケメン見つけたって前話したやつ!」



そんな話したっけ…?



「璃愛こそ知り合いだったの?」

「知り合いっていうか…」

「昨日俺が一目惚れしちゃって♪」

「ちょ、ちょっと!!」

「え、なになに、全然ついていけないんだけど…?」

「ごめん葵、なんでもないの。行こ!」

「ちょっと璃愛!?あの1年生、いいの?」

「いいの!!」



あたしは葵の腕を引っ張ってその場を後にした。