そのようないきさつで。

岸島は洋学所の会計係のような仕事を手伝いながら、山本家に厄介になるようになったのだが、

「さすがに新撰組と分かっては、いくら勘定方であったとしてもまずいことになる」

という山本の発案で、

「丹後宮津浪人」

という出自でゆこうということになった。