『今、家の前にいる』

 遼くんからのメール。緊張しながら、外に出る。

「……。」

 遼くんが、何も言わないから、恐る恐る尋ねてみる。

「へ、変かな。」

「いや。……似合ってる。」

 もしかして、遼くん、照れてる?って、いうか、私も、照れてる。

 でも、嬉しい。褒めて、くれた。

 二人並んで、歩き始める。草履、歩きづらい。
 私に、合わせて、遼くんは、ゆっくり歩いてくれる。
 背の高い遼くんは、少し歩きにくそう。

「歩くの、遅くて、ごめんね。」

「いや。」

 電車に乗って、大通りまで出ていくと、お祭りの夜だけあって、浴衣姿の女の子が、結構歩いていた。

 お祭りの屋台の立ち並ぶ辺りに、近づくにつれて、人が増えてきて、二人並んで歩くのが、だんだん難しくなってきた。