「カノン、俺の話を聞いて?」



「イヤっ。聞きたくない!!やめてっ」



「ダメ。聞けって」



勇太に肩を捕まれ、勇太と向き合う形になったあたし。



「ちゃんと話すから聞けよ……な??」



見つめられる勇太の視線が、胸の苦しさを余計に募らせる。



「聞きたくないってばぁ」



「聞けって。ユウリさんのこと、俺、ガキの頃からずっと好きだったんだ」



「イヤっ。聞きたくないよ。やめてっ」



「聞けよ!! でもそれは過去のことで、俺の中では終わってると思ってた。だけど終わってなかったんだ。カノンと付き合い始めてからお前を見ると思い出すんだ。カノンを見てるのにユウリさんを思う……そんな俺に気づいたんだ」



聞きたくない。



聞きたくないって……。



そんなの聞きたくないよ・・・・・。



夢なら早く覚めてほしい。



これが夢ではなく現実なら、あたしはこんな現実ほしくないよ。