パパとママが事故で死んだ時…
私はどうすれば良いかわからなかった。
お兄ちゃんに話し掛けても返事はなくて
お兄ちゃんは私を見てくれなかった。

私を見てくれなかったお兄ちゃん
なのにあの子を見て笑って
私にはしてくれなかった事を
あの子にはする。

私はあの子が憎かった。
お兄ちゃんを取られたと思った。

だから…
お気に入りの白いワンピースを着て
後ろからあの子の頭を石で殴った。

あの子はそのまま倒れた。
死んだと思ったら
気を失ってるだけだった。

目を覚ましたら
叫ばれるから唇を糸で縫った。
あの子は糸で縫ってるのに
目覚めなかった。
木に紐であの子を拘束した。
その瞬間、あの子は目覚めた。
お腹に新品の包丁を1本捩り込ませた。
あの子は泣いた。
叫ばずに痛みに耐えて静かに泣いた。
あの子は腕を切断した時も
声を出すのを我慢した。
胸に包丁を2本同時に刺した。
それでもあの子は声を出すのを我慢した。

私はあの子に
「何で声を出さないの?
助けを呼ばないの?」って聞いた。

あの子は痛みに耐えながら少し微笑んで
首をたてに振った。

「助けを呼ばないの?」って聞くたびに
たてに首を振って…涙を流して死んだ。

私はあの子の気持ちがわからなかった。
あの子の事がニュースでやっていた。
ニュースを見て…
私はあの子の名前を知った。
雨音…未散…。
私は何故か…涙を流してた…
理由はわからないけど…悲しかった。