何も無く、どこまでが壁なのかすらもわからない白い場所に七人の姿がある。それぞれに赤・橙・黄・緑・青・紫・黒の蝶が背中に印されている。
「世界が死を迎える…」
「虹の蝶の事を考えるな…」
「ですが!」
「私達色蝶戦士は為すべき事を果たすまでなの。先代から受け継いできた事を無駄には出来ないわ」
「我らは一体誰の命令で動かされている?虹の蝶ではないのか?神が作った訳ではなく…虹の蝶が」
「だとしても…為すことを果たさなければ。誰が作ったとかではなく使命として」
「使命…か」
赤い蝶の影が言うと空気が重くなった。
「キキタマエ。シキチョウセンシ」
姿はなく男と女の混じった声。変声機を使った様な声になり、男女の区別もつかない声が響く。
「貴様は誰だ?」
「ワレハニジノチョウ。セカイハモウスグシヌ」
蝶の紋様のあるかれらの中心に一つの影が降りる。背中には虹色の蝶が印されていた。
「虹の蝶だとっ!?」
「世界が死ぬって…どういう…」
「キケ。オロカナルチョウドモヨ。ワレハセカイニタクシタ。シロイチョウヲ。ダガキサマラハミツケルコトガデキナカッタ。ダカラシヌ」
「白い蝶なんて我々は知りません!」
「それが…世界を救う鍵…!?」
「サスガダ…キイロキチョウ。クロキチョウハキサマラニタクシタ。ヒトツニナルカギノハンブンヲ」
「俺の片割れ…という事か」
「ならば、我々と虹の蝶には何の意味が…。白と黒の蝶が存在していれば世界は…」
「キサマラハ、セカイニイントヨウダケガアルトイイタイノカ?スベテワレガツクリダシタワケデハナイ。カミガセカイヲツクリ、ワレワレヲウミダシタ。ワレハセカイヲツクリシカミニチュウセイヲチカッタマデ。カミガイッタトオリニ。ワレハ…ワレハ…ワレハ…ワレハワレハワレハ」
「何っ!?」
「狂い出した…!?」
「私達は神が望む世界をつくるため…?それとも…神が喜ぶための世界をつくるための存在?」
「カカカカカミカミカミカミガカミカミカミガカミガステタ…カミガカミステ…カミ…タ……」
「虹の蝶…!」