悠木さんの運転する車が別荘にある駐車場に到着した。


車から降りて別荘を見上げる。



「……大きい………。」


「あれ?朱里は初めて?」


「あっ、はい。悠木さんは来たことがあります?」


「何度も。今度、俺ん家の別荘にも招待するよ?」


「おい、聡。」



悠木さんと話していれば、尚輝が間に割り込んできた。


私の肩を抱き寄せて悠木さんを睨む。



「俺も一緒に行くし。」


「妬くな、別に二人では行かない。親友の女を取るほど飢えてない。」



悠木さんが笑いながら荷物を取りに向かう姿を見送る。


尚輝に手を引かれ、私達も荷物を取りに向かう。



「あっ、ありがとう。」



さりげなく尚輝が荷物を持ってくれた。そのまま、尚輝の家の別荘に入っていく。


部屋割りは尚輝達が既に決めていた。私は手を引かれるまま、尚輝と一緒の部屋に入る。



「…………ダブル?」


「キング。どの部屋も同じだ。」



尚輝が私達の荷物を部屋の隅に置いた。