先輩と別れて、一人で学校へ向かう。



まあ、いつもこれが当たり前なんだけど。




朝から先輩に会えたこと

朝から先輩と話せたこと




これだけで幸せだと思える。




例え先輩から女の子の名前がでてきても


私の目の前で他の子を可愛いと言ってても



私は先輩を諦めようとは思えない。



先輩が女の子大好きなのは好きになったときには知ってたから。



そんなんでも気付いてしまったらもう遅かったから。




今更そんなことで諦めたりなんかできない。




そんなことを考えながら歩いてたら、いつのまにか教室にいて。



教室にいる子たちと挨拶を交わすなんてことはせず、黙って自分の席に着く。



こんな性格だから誰も私に話しかけようなんて思わないのだろう。




「あーや!おはよっ」




ただ一人を除いては。




「あれ?なんか今日顔ゆるくない?


ハッ!!!


もしやもしや!朝から先輩に会っちゃった〜的な!?


はっはーん図星だなそうだな可愛いなおい」




なんでこの子はこんなに朝から元気なんだろうか。


聞いてるだけで精一杯なんだけど…



しかも顔ゆるいとか気付いちゃうあたりキモイ…



「うるさいから静かにして」



「嫌いじゃないくせになに言ってんだか」




確かに嫌いではないけど。



朝から無駄にうるさいこの子は、


成宮 さくら(なりみや さくら)。



小さい頃からの親友…で、私はサクって呼んでる。



こんなだけどめちゃくちゃいい子なの。