「ねえ一平。参考書を買いたいんだけど付き合ってくれない?
どれがいいかアドバイスして欲しいんだけど」


チラッと一平先輩は私のほうを見てきた。


とっさに目を伏せてしまった。

こんな時は大抵、先輩と一緒に帰る。

だけど今日は、清良先輩と本屋さんへ行って欲しかった。


『先輩は私にだけ優しいんじゃない』それを証明するためにも、
先輩の私に対する気持ちは分かってるけど、だけど今はお願い清良先輩につきあってあげて。

そう思った。


『清良先輩は焼きもち焼いてる』
玲奈の言葉も頭をよぎっていた。清良先輩との関係が悪くなるのも不安だった。


「.....。
じゃ行くか清良」


「うふっ、みんなお先に~」


清良先輩は満面の笑みで先輩の腕に自分の腕をからめると
二人は生徒会室を出て行った。


二人を見送った私の心臓はドキドキしてる。


冷たいような、悲しいような先輩の表情が心に突き刺さる。


先輩ごめんね。