ついに、ジメジメとした梅雨の時期が終わり、暑い夏の季節、7月がやってきた。


この季節になると、プールの授業が来るから嫌だ。



「キャハハっ、顔にかけないでよっ!」


「わざとだよー!ね、もっとあっちの方行こうよ!」



3限目、みんなは待ちに待ったプールの授業を満喫してる。

一通りの全体練習が終わって、今は自由時間だ。


あちこちから楽しそうな声が聞こえるけど、私の気持ちはどんよりと沈んでいく。


あの川で溺れてから、水が怖くなっちゃったんだよね……。

それに、水の中に入ると、あの日のことを思い出してしまう……。


そんな私の精神的な面を考慮してか、先生からは見学を許可された。

ジャージ姿でぼんやりとみんなの姿を眺める。




――バシャッ、バシャッ!!

みんなが動く度に聞こえてくる水の音。

それが、次第にザァーッと、川が流れるような音に聞こえてくる。


『早織……ねぇ、早織!!』


あの日、私は早織の名前を何度も呼んだ。

突然、目の前から消えてしまった親友の姿を、必死に探したんだ。