「「本当にすいませんでしたっ!!」」
そう言って、首がもげるんじゃないかと思うほどの勢いで2人の男子が頭を下げる。


2人ともの息の揃った綺麗な斜め45°のお辞儀に拍手したくなった。


消毒薬の独特な臭いのただよう保健室で、頭のたんこぶに氷嚢(ヒョウノウ)をのせたまぬけスタイルの私の前に斜め45°男子2人

それを怖い顔をした連中が囲んでいる

蛇に睨まれた蛙とはまさにこういう状況をいうのだろう



「お前ら何考えてんの?」

いつもチャラけた雰囲気の中川の低く冷たい声は意外だった。

2人の蛙が頭を下げたまま肩を震わせるのが分かった。



『大丈夫、全然平気。 ちゃんと謝ってくれてるし。みんなちょっと大げさ過ぎ』


蛙達が目を輝かせてすがるように私を見上げる。