結局、河口さんは1限目が始まっても帰っては来なかった
それが普通の反応だ
普段からおとなしい彼女にとって、あんなことをされたのはかなりの衝撃だったに違いない
河口さんがいなくても淡々と1日は進んでいく
朝の出来事なんてまるで最初からなかったように教室はいつも通りだ
… いや、いつも通りなんかじゃない。
新たなターゲットが決まったことで、自分が選ばれなかったことへの安堵やこれからのターゲットいじりへの期待感が教室を包んでいる
可哀想だのなんだの言ってみんな結局自分さえ良ければいい
他人がいじめられているのを見ることで自分の幸せを噛み締められるんだ
楽しんでいるのは菜々達だけじゃない
みんな他人の不幸に飢えている
こういうときのみんなの変な団結感みたいなのが私はすごく気持ち悪くて嫌いだ