「橋……ん、橋本さん!」


瞼が重い。
誰かの声がする。

目を開けてみる。

「橋本さんが意識戻りました!」

泣いている人もいる。分からなかった。
全ての人が知らない人で
自分が誰なのかも分からなかった。


「未結…。」

未結?
ああ、きっと私の名前なのかな。

私は、橋本 未結なんだ。

その時分かったのは
自分の名前だけ。


そして覚えているのは
小さい頃のあの出来事。



*⑅︎୨୧┈︎┈︎┈︎┈︎┈︎┈︎┈┈︎┈︎┈︎┈︎┈︎୨୧⑅︎*