「うっわ、やっぱ人多いなぁーーー。」
人混みをかき分けながら着いた、体育館の扉を開けた東が思わず叫んだ。
年が明け、冬休みも終盤に差し掛かっている今日は
『新春四大マラソン大会』
ハーフマラソン
10kmマラソン
県北地区駅伝大会
県北地区中学校駅伝大会
の4つの大会が一斉に行われる。
でも、駅伝大会になんで東がいるかって？
それは2ヶ月ほど前の話―――――。
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『今年さ、Cチームで走ってくんないかなぁ？』
『はぁーーー！？俺らが！？』
『そう、お前らが。』
昼休み、駅伝部の部長直々にお誘いを受けた。
青葉高校には
”陸上部”
”駅伝部”
は、分けて設営されてある。
陸上部は基本、トラックの大会。
駅伝部はロードを中心としていてトラックでは5000ｍ以上を走る時だけでる。
だからって駅伝大会なんて俺らには関係ないわけではない。
たまに、こうして誘いが来る。
『今年はマラソンにも駅伝にも参加するんだけどさぁ、2人だけ足んなくて、お願い！出てくんないか？』
駅伝部の部長が深々と頭を下げる。
なぜ俺らに誘いがきたか。
それは俺が長距離選手であり、
東は八種競技で1500ｍも走っているから。
らしい。
これは困ったことだと2人で考え込んでいると…、
『ちなみに、涼々も女子から誘われてオッケーしてたぞ。』
それを言われちゃ…、
『じゃあ、しゃーねーか。』
『ほんっと、翼は涼々のこと追うの好きだよな。』
『うっせ、1回くたばれ。』
『あ、んじゃよろしく、翼が3区で高屋敷が4区な。』
来る時は深刻な顔してたくせに、
帰りは笑顔で帰っていく駅伝部の部長。
しょうがねえな、どーせ思い出作りにでも1回駅伝やっとくか。
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