黒尾雅side


AM5:30、既に日は昇っている。



ここから、私の1日が始まる。



初夏の光を体いっぱいに浴びて、部屋から出た。










「起きたか。おは____」









____黒いニワトリが見えたから無視。
あんなのに構ってたら朝練に遅刻してしまう。





……私は、音駒第二中女子バレー部の主将を務めている。ちなみにセッター。

朝練、はバレー部の朝練のことである。








「わり。クシとっ____」








顔を洗って髪を整える。
今なんか聞こえた気がするけど、それは置いといて。








「雅、なんか食うモン____」










昨日用意した朝ごはんを食べ、
昨日用意した食材を弁当箱に詰める。









「いってら____」











勉強道具が詰まったリュックを背負い、バレーシューズなどが入ったスポーツバッグを肩にかけ、朝の街へと飛び出した。











「俺のセリフちゃんと言わせろォォォォオオ!!!」












____バタンと玄関の戸が閉まった向こうから、お兄のそんな叫びが聞こえた気がした。