「当たり前だろ…情報屋って危険なんだろ?」
まぁ、それなりにはね……いろんな所に聞き回るし……
覚悟してるけどね…
「はぁ、ちょっと来い……」
「え、ちょっと」
やっぱり怒ってるな……
大丈夫なのに……
手を引っ張られ、連れてこられたのは路地裏だった
「……」
どうしよう…
「あの…來龍……?」
「……お前さ、何でそんな危なっかしいの?」
私の肩に頭を乗せる
壁に手を付き逃げられないようにされた
「……え?」
來龍…?
「頼むから、危ない事すんなよ…心配するから……お前は、皇の大切な姫なんだから」
…………あぁ、そっか、心配させちゃったんだ
怒ってないんだ……
そっかぁ…
「…ごめんね。でも、大丈夫だよ」
「……それでも、なるべく危ないことは控えろ。なんかあったらすぐ呼べ。絶対何があっても来るから」
「うん……そうする」
來龍は、私が皇の姫になったから心配してるんだね……
そっか、なーんだ…
「気おつける」
「そうしろ。一人でいるなよ」
私自身をただ心配してる訳じゃないんだ……
なーんだ……なんか、悲しい…
「ありがとう。もう戻ろっか」
「あぁ、だな」
來龍はきっと、私のことなんとも思ってないんだろうな……
ただの、自分の族の姫ってぐらいの認識なんだろうな…