「……髪型よし、メイクよし、ファッションよし、忘れもの…なし」



バッグを肩にかけて、もう一度鏡の前に立った。






日曜日。ついにこの日がやってきてしまった。


こんな言い方をすると、まるで今日が来るのが嫌だったみたいに聞こえるけれど

決して嫌なんかじゃない。


むしろ緊張と嬉しさで、昨夜から胸がどきどきしっぱなしだ。

布団の中で深夜まで眼が冴えてしまって、結局何時に寝たのかわからない。



「もうそろそろ出たほうがいいかな」


はあ、緊張する。


なんといったって、隼人くんと初めて二人で休日に出かけるのだ。


こんな服でいいのか、慣れないメイクで余計ぶさいくになってないか、待ち合わせ時間を間違えてないか。




部屋の時計をみれば、8時半より少しはやい。


駅には9時に待ち合わせてある。歩いて15分だから、大丈夫だ。