初めて出会った時、彼は高台にある桜の木の下で、太いロープを持って立っていた。

自殺……?
いや、違う。


彼の目には、桜の木の幹も、地面の土も見えていなかった。
そんなものより、もっと遥かに壮大なものを見ていた。  
私の方を振り返って、彼は言った。
  





「ねぇ君、一緒に星を捕まえてみないか?」