冷え切ったリビングを一刻も早く暖めたかった私は、ストーブのスイッチをつけカーテンを開けた。

冷えるはずだ。

外は一面真っ白で、「しんしん」という言葉がぴったり合うようなゆったりとしたスピードで、雪が地面に落ちていく。

薄暗い街を除雪車のオレンジ色の光が動き、ガタガタという機械音が響いていた。

窓の隙間からは、外の冷たい風が流れ込んできた。


私は、外の冷たい風が入らないようにもう一度カーテンを閉じて、部屋の電気をつけた。


洗面台に行き、鏡を見つめる。

昨日眠れなかったせいか、目の下にはクマが出来ていた。


タオルを水で濡らして電子レンジで温めてタオルを蒸して、ソファーに座ってそのタオルを目の上に乗せた。

じんわりとあたたかさが伝わってくる一方、私の胸は昨日のことを思い出してきゅうっと縮まった。



美晴ちゃんは、どうして嘘をついたんだろう?

私のこと嫌いだったのかな?

それとも清良君の言った通り、お母さんに怒られたくなくて嘘ついたのかな?



「清良君……」



昨日眠れなかった原因……それは、清良君へ抱いてしまった感情もあった。